料理道具専門店 フライパン倶楽部

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商人日記 - A SHOPKEEPERS'S JOURNAL -

商人とは何か。自分とは何か。自由とは何か。店長が綴る明日への旅日記です。

桜色の風が咲く

家内に誘われて映画「桜色の風が咲く」を鑑賞してきました。9歳で失明、18歳で聴力を失う主人公を取り巻く、母親と父親、兄弟たち、 そして仲間たちが支えあう実話をもとにした物語でした。吉野弘さんの詩「生命は」が紹介されていました。 「生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。 花もめしべとおしべが揃っているだけでは不充分で虫や風が訪れて、めしべとおしべを仲立ちする。 生命はその中に欠如を抱き、それを他者から満たしてもらうのだ。」 人は誰も一人で生きてゆけない。誰かに助けられて、そしてまた誰かを助ける。 見えなくなる、聞こえなくなる重い現実とともに、そんな人々との関わりを丁寧に描いていました。 そして、主人公は見えないこと、聞こえないことの理由を求めます。 見えない人にこそ見えるものがある。聞こえない人にこそ聞こえるものがある。 タイトルの風が咲くという表現は、分かった気になってしまうのを戒めているのかもしれません。 私たちが知覚できる世界はあまりにも狭い。そんな世界を突き抜けて、幼子のようになりたいものです。

2022/11/14