メメント・モリ
老夫婦が買物にやって来て、私に声を掛けてくれました。 ご主人は「お父さんとそっくりだね。」そして、ご婦人が懐かしげに 「おじいさんが亡くなる時に、大学受験と重なって大変だったと聞いていますよ。」 すでに30年以上前のことを、白髪のご婦人が語ってくれたのでした。 そのご婦人は女医さんであり、私の祖父が最後を迎えた病院で当時勤務されていたそうです。 大学入試のあった寒い季節に、祖父は体調を崩して入院しました。 それでも、私は毎日のように病院に見舞い、祖父と向き合っていました。 そして、天使のような微笑みをもって、祖父はその最後を迎えました。 また、先日叔母が余命いくばくもない時に、何人かで叔母を囲んで語り合ったひとときがありました。 その時も、祖父が亡くなる時に、病床で見舞う私の姿を思い出して語ってくれました。 叔母やそのご婦人の声を通じて「いかに生きるべきか」天からの声のように感じました。 ヨーロッパでペストが大流行した時に「メメント・モリ(死を忘るなかれ)」という言葉が語られたそうです。 その声に素直に従いたいです。
2020/03/02





