原発に一番近い病院
NHKのETV特集「原発に一番近い病院 ある老医師の2000日」で、 御年八十一で召された高野英男さんを知りました。 高野さんは、福島第一原子力発電所から22kmしか離れていない民間病院の医師。 震災時にも避難はせず、入院患者さんとともに、そこにとどまります。 その後も、休みなく病院を開き続ける。 ある老婆の入院患者さんは、毎週水曜日の朝、手押し車を引きながら高野さんのもとを訪れます。 水曜日は高野さんの回診日で、栄養ドリンクと1枚の煎餅を紙に包んで渡しに来る。 その方もそこまで来るのがようやくの容体。言葉もなく以心伝心でやりとり。 患者さんたちも、ただ一人の常勤医で忙しくする老医師のことを心配しているのです。 淡々と仕事に打ち込む高野さんは穏やかに語っていました。 「この災害から義務感が加わった。とにかく体が動くまでやらざるをえない。」 そんな高野さんが、昨年末、一人で暮らす自宅の火事で亡くなりました。 「もう十分だよ」と天が召したのかもしれません。その死は、私たちに深く問いかけます。
2017/01/28





