料理道具専門店 フライパン倶楽部

お店のことお店のこと カートカート
商人日記 - A SHOPKEEPERS'S JOURNAL -

商人とは何か。自分とは何か。自由とは何か。店長が綴る明日への旅日記です。

凡庸な悪

学園祭を紹介する企画で、ある高校生がドイツの政治家を尊敬していると語りました。 その政治家が、自信を喪失していた同胞を鼓舞する演説を思い出しました。 「自由や幸福が突然空から降ってくると思ってはならない。 全ては我々自身の意志と行動にかかっているのである。」 かたや、同じドイツのマルティン・ニーメラー牧師は述懐しています。 「ナチが共産主義者を襲つたとき、自分はやや不安になつた。 けれども結局自分は共産主義者でなかつたので何もしなかつた・・・ さてそれからナチは教会を攻撃した。そうして自分はまさに教会の人間であつた。 そこで自分は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであつた。」 あの惨劇をもたらした原因を、あの政治家だけに限定してはならいでしょう。 すると、ハンナ・アーレントというユダヤ人の政治哲学者も、ナチスの役人の裁判を通じて、 牧師にも潜んでいたであろう凡庸な悪、思考の欠如を指摘していました。 高校生の発言には驚きましたが、私がもっと深く考えるように促してくれました。

2016/10/10