結婚の覚悟
塾の先輩である亡き黒岩比佐子さんが、わが故郷出身の村井弦斎(げんさい)を発掘してくれました。 東京生まれの黒岩さんが、岩波書店から「食道楽の人 村井弦斎」を上梓しました。 弦斎は、大正年間に「食道楽」という料理をテーマにした小説を書いてベストセラーとなります。 その内容は、単に料理だけではなく、結婚や夫婦のあり方にまで及びます。 そこで、頻繁に登場するのが「覚悟」だと黒岩さんは語ります。 作中人物に語らせています。 「男子が一たび妻を得たならば此の妻の外に愛すべき夫人は天下に無い、 終生外の女に心を移さぬと覚悟して居たらば、他日我妻を離縁すると云う様な不徳は出来ますまい。 妻も其通りに覚悟して居たらば、良人に対して不平や不足も出ない訳です。」 思わず「その通り!」と心で拍手しました。 芥川賞作品をはじめ昨今の小説とは隔世の感があります。 時間をかけながら綿密に調べて書き上げる黒岩先輩だからこそ弦斎に目が留まったのでしょう。 先輩の小説を読めなかったことが惜しまれます。
2012/02/24





