後輩の歯科医
人間は恐怖という感情を抱きますが、その恐怖を克服することもできます。 私にとっては、歯科医の電動マシーンが恐怖となりました。 音を聞いただけで、それが歯に触れるだけで、ぞっとしてしまいます。 幼かりし頃に、歯科医の椅子に座っても、口を開けずに、しばらくボイコットしていたことを思い出します。 大人になっても同じで、歯科医からは遠ざかっていました。 そして、あの電動マシーンを思い描くと、恐怖が沸いてきます。 ところが、10年ぶりに歯科医を訪れました。待合室での不安な気持ち。 そこに星野富弘さんのカレンダーが飾ってありました。 「痛みを感じるのは生きているから 悩みがあるのは生きているから 傷つくのは生きているから 私は今かなり生きているぞ」天よりの応援歌のようでした。 幸いに、歯科医は弟と同級生の後輩です。 良くも悪くも小さいころからの自分を知っていますので、 おびえている私のこともすぐ分かります。 「よく来てくれました。」 私の恐怖にも共感してくれました。不思議と恐怖が薄らいで来たのです。
2011/07/30





