料理道具専門店 フライパン倶楽部

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商人日記 - A SHOPKEEPERS'S JOURNAL -

商人とは何か。自分とは何か。自由とは何か。店長が綴る明日への旅日記です。

エバンジェリン

高校時代の友人に、道端でばったりと再会しました。 久し振りの会話の中で、私の結婚式で配布した本のことを語ってくれました。 それは、河出書房新社の「アンクル・トムの小屋」という手のひらサイズの書籍。 翻訳は、先週お亡くなりになった丸谷才一さんでした。 今日改めて、ペラペラとページを繰りました。 エバンジェリンという女の子が、トムに語りかけます。 「なぜイエスさまはあたしたちのために死にたいとお望みになったか、あたしにはわかるわ」 「どうしてでございますか?エバお嬢さま」 「ほら、おまえやあたしが船でくるとき、かわいそうな人たちを見たわね。 お母さんと別れてきた人たち。ご亭主と別れてきた人たち。 それから、子供と別れてきたお母さんたちもいた。 ・・・あたし思ったのよ、あたしが死ねば、 こういう人たちの不幸をなくすることができるのなら、 喜んで死ぬって。トム、あたし、もしそのことができるのなら、あの人たちのために死にたい」 大人の理を越えて、子供の純朴な気持ちにこそ、厳然たる真理が潜みます。

2012/10/19