巽聖歌の友情
中学校の卒業式の祝辞で、新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」を紹介しました。 この物語は、自分の殻に悲しみが詰まっていることを知ったでんでん虫が、 友達に悲しみを打ち明けます。すると、どの友達も同じく悲しみを背負っていた。 そこで、でんでん虫は、悲しみをこらえて前に進んで行く。 厳しい人生の現実とともに、仲間に打ち明けることの価値を伝えました。 この話を聞いた地域の方が、新美南吉記念館の館長の講演会資料を後日提供してくれました。 そこには、南吉の作品が世に広まるまでの経緯が紹介されていました。 友達の巽聖歌(たつみせいか)が、南吉の死後、紆余曲折がありながらも南吉の全集を出版。 巽の存在がなければ、南吉の作品は埋もれたままであったと言われます。 館長は、巽の走り書きしたメモに涙します。 「南吉よ おそい春だったなあ けれど おれは これでせいいっぱいだったんだよ 花咲ける日の南吉へ」 生誕101年を迎えた年の卒業式が、遅い春とも重なり、私も涙が溢れて来ました。
2014/03/15





