独立と信仰
この夏は「国家とはなにか」という江藤淳(じゅん)先生の本を読んでいました。 先生は、在学時に大教室で授業を担当していました。 著名な文学評論家でもあり、学内でも恐れおおい存在でした。 かの先生は、福沢諭吉に大変憧れていました。 「学問のすすめ」の「自ら心身を労して私立の活計をなす者は、他人の財に依らざる独立なり」 という言葉を地で行く、まさしく慶応の本流でした。 ゆえに、先生は、戦後日本のあり方を「国家ごっこ」と揶揄していました。 独立国家であれば、自分の国は自分で守るのは当然のこと。 物事をしっかり見つめて、自分の頭で考えて、責任をもった行動をとるように。 しかし、先生は、最愛の奥様に先立たれて、後を追うかのように病苦で自死してしまう。 ご自分の生き方を真摯に貫き、独立が行き過ぎてしまったものかと想像しました。 そんな時は、もっと誰かに頼ってもらいたかった。 人間は一人では生きて行けません。 先生に信仰があったのかは定かでありません。 独立は信仰があってこそ花開くと思います。
2011/08/18





