ステンレスは鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上含むさびにくい合金です。 クロムを含むことで、さびにくくなります。ただ、お鍋やフライパンの場合、ステンレス単体では、熱伝導性が良くないので、 他の金属と張り合わせた多層構造のものが主流となっています。
そこで、ステンレス多層構造の代表的なフライパンが、ビタクラフトNシリーズです。 こちらは、ステンレスの間に熱伝導性の良いアルミを挟んでいて、板厚は2.5mmと厚くなっています。 そのため、このステンレス多層構造は、熱伝導性も良いばかりか、蓄熱性も良くなりますので、 フライパンの加熱性能としては理想的です。
ビタクラフトNシリーズフライパン24cm
こびり付きは、温度むらがあるなど、温度が低い時に生じます。そのため、きちんと予熱することが大切です。予熱が甘い状況で食材を入れてしまえば、こびり付きます。多層構造のような厚みのあるフライパンは適温になるまで少し時間がかかりますので、きもち長めに予熱をして下さい。目安としては中火(中レベル)2分です。
ビタクラフトでは、 「水滴を落とすと玉になってコロコロと転がる状態まで加熱する」 きちんと予熱することを勧めています。 そして、厚板フライパンと同様で、保温性は抜群ですので、予熱後の火加減は弱火で十分です。その点では省エネにもつながります。
鉄製フライパンと比較してみます。 鉄製フライパンの特徴は、油馴染みの良さとなります。 鉄の表面には、凹凸状の緻密な酸化皮膜が形成されます。 これは、ミクロン単位の膜ですが、凹の部分に油が浸透して、油とフライパンが密着した状態を作っています。 これが、温度むらやこびり付きを解消して、美味しく調理する要素になっています。
かたや、ステンレスの表面には不動態皮膜が形成されます。こちらは、ミクロンの千分の1に当たるナノメートル単位。 鉄の酸化皮膜よりかなり薄いものとなり油が馴染む状態には至りません。 ただ、薄くても酸素に触れればすぐに再生されます。そのため、野菜炒めなどは、野菜から出て来る水の逃げ場がないため、 シャキッとした仕上がりには劣るかもしれません。
特徴としては、鉄製フライパンと同様に末永く使用できることです。その上で、茹でてよし、煮てよしと浅型鍋感覚で多用途に使えます。特に、ソースとパスタを絡めたり、焼いたものをそのまま煮汁で煮込む用途には相応しいです。
さらに、鉄製フライパンとは違って、油馴染みを気にせず洗剤で洗浄できる点も特徴です。基本的に焦げ付いた時には、ナイロンタワシや金属タワシで磨くことも可能です。電磁調理器(IH)に対応していて、丈夫で変形にも強くなっています。適切な使い方をすれば、大変重宝なフライパンであり、資源を有効に使う点でも見直して頂きたいです。