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代表者のエッセイ

2018年6月28日

アマゾンの日本上陸は、わが身を省みる時

ここ最近、アマゾンのことがよく話題となります。 ネットショップも、小売業全体も、アマゾン一強の時代を迎えているとの論調を耳にします。 私も一人の商人として、既存の小売店は試されているように感じます。 自分たちの存在意義は何であるのか。 そんな問題をアマゾンが厳しく突き付けてくれているようであり、改めて自分を見つめ直して参りたいです。

そのためには、アマゾンを良く知る必要もあるでしょう。 アマゾンの企業理念は、「地球上で最も豊富な品揃え」「地球上で最もお客様を大切にできる企業であること」 豊富な品揃えは、サイトを見ても、ありとあらゆるものを手掛けていることで分かります。 その大切にするという視点が、どのような視点であるのか。 それは、商品をできるだけ速く、安く届けることにあるようです。

それだけを見れば、良いことのように思いますが、歪みも生じています。 速くという点では、アマゾンと提携していた宅配業者の大手ヤマト運輸が昨年、大きな方針転換に踏み切りました。 すなわち、消費者への速く安くの歪みが、ドライバーをはじめ運送会社に及んでいたことが分かります。 消費者だけではなく、それを取り巻く人たちを大切にすることもあわせて求められます。

私のような同業者であれば、安くという点で違和感を感じてしまいます。 それは、中内功さんのダイエーのディスカウント商法を思い出してしまうからです。ダイエーも無理がありました。 その点では、近江商人の三方良しこそ、日本人が受け継いできた商法であり、そこに末永く商える智慧を感じるのです。 買い手のお客様良しだけではなく、売り手も良し、世間も良しということです。

結果として、安くは競争を促して、薄利多売に至ります。多く売れても、実質の利益はないため、 さながらバブルの泡であり、他の小売店は立ち行かず、メーカーも疲弊していくのです。 唯一安売りするところの売上が一時的に伸びるばかりとなります。しかし、長続きしないのです。 商品を供給するメーカーが立ち行かないからです。小売店とは、あくまでメーカーあっての存在です。

ただ、より本質的なことは、私たち既存の小売店が変わらなければなりません。 小売業とは、効率よく物を流すだけの営みであるのか。 私の小売業の経験から言えることは、小売りは誰にでもできそうで、誰にでもできない。 非常に奥の深いものであり、しかもそれを続けていくことは至難の業のようにも感じます。 1対1で真摯に顧客と向き合う商人。小売りを甘く見てはなりません。

そこには、人が介在していて、常に人の心と向き合っている。 いつしか、そのことを忘れてしまい、すべてが機械任せとなり、人の手や心が使われなくなってしまった。 小売店は本来、自店だけではなく、業界全体のことを考えます。世間のことを考えます。 そんな余裕がなくなっていないか。その点では、アマゾンを眼の前にして、小売店は試みられているのだと思います。

今から150年ほど前に、日本に株式会社が誕生しました。その名も丸屋商社、後の丸善です。 その設立趣意書には、こんな言葉が綴られていました。 「しかし今この貿易・商売の権益を外国人に独占され、黙ってこれを傍観するのは 日本人である私の義務に背くと言わざるを得ない。 一度、貿易の権益を失い、それが外国人ににぎられると、外国人に依頼して元金を借り、 外国人の会社で働かされて、あるいは、わが国の会社に外国人を招聘してこれを尊重し仰ぎみて、 その指示の下に奔走するといった情勢に陥ることになる。 もしもそんな事態になったら、国家の災害としてこれ以上のものはない。」

当時は、欧米と大きな格差がありながらも、明治の人には独立の気概があったのだと思います。 情報技術のテクノロジーの面で、もしかしたら今日も立ち遅れてしまっているところはあるのかもしれません。 しかし、それは本質的なことではなく、商人の心意気のところが問題のように思われます。 小売業の明日は、アマゾンにあるにではなく、私たちの手の中にあります。