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道具選びの眼

2019年1月26日

ストウブ VS キング無水鍋

2000年前後のルクルーゼの登場から始まり、ストウブ、バーミキュラやユニロイなどの琺瑯鋳物鍋が 一般家庭でも定着して参りました。これらは、鉄鋳物にガラス質の釉薬を焼き付けた琺瑯素材となります。 かたや、昔ながらのアルミ鋳物のお鍋も同じ用途で見直されています。 今回は、琺瑯鋳物鍋のストウブと アルミ鋳物鍋のキング無水鍋を比較してみました。

ストウブピコココットラウンド20cmとキング無水鍋20cmを比べてみました。

琺瑯鋳物鍋の魅力は、その外観の美しさだと思います。さまざまな色合いを出すことできて、 しかも艶と言いますか光沢があり、お台所を明るくしてくれます。見た目の華やかさがあるお鍋です。 かたや、キング無水鍋は、そのフォルムに機能美を感じますが、使うほどに渋みが増すと言いますか、 味わいが深くなる印象です。地味ではありますが飽きのこない外観と言えるでしょうか。

キング無水鍋20cmの重さは1590gであり、ストウブピコココットラウンド20cmは3500gですから、 キング無水鍋はストウブのほぼ半分の重量となります。

続いて、使い心地の点で重要なのが鍋の重さです。 琺瑯鋳物鍋のデメリットと言えるかもしれませんが、持ち上げて頂くとズシリと重いのです。 揚げ物には、この重みが油をぶちまけない安心感につながっているかもしれません。 かたや、キング無水鍋は圧倒的に軽くて扱いやすい。その点は毎日のお料理には相応しいと思います。 特にご年配の方や女性にはおすすめできます。

そして、美味しくできるかという点です。これは熱伝導性と蓄熱性の二つの指標で比べることができます。 熱の伝わりやすさである熱伝導性の面では、アルミは琺瑯鋳物に比べて断然優れています。 琺瑯鋳物鍋の素材は鉄となりますので、単純にアルミと鉄で比較しますと、アルミは鉄よりも約3倍も優れています。 その結果、キング無水鍋の方が、お水を入れてから早く煮立つとも言えます。しかも、むらなく均一に熱を伝えます。

蓄熱性ですが、ストウブは重さもあるので、しっかりと熱を蓄えて、温度制御もしやすいです。 同じく、キング無水鍋は軽いとはいえ、厚みがあるので、こちらもしっかりと熱を蓄えるのです。 少し意外かもしれませんが、軽くても蓄熱性に優れています。その点で、アルミ鋳物という素材は、大変合理的です。 どちらも、一旦温まったら、弱火で十分であり、しかも余熱で調理ができます。 なお、熱伝導性と蓄熱性に関しての詳細は、加熱講座「調理道具と熱の関係」に整理しています。

アルミ鋳物は加工もしやすい点もありますが、縁と本体のかみ合わせは、精巧な作りとなっています。 無水鍋の元祖こそ、このアルミ鋳物のキング無水鍋でした。

加えて、機密性ですが、キング無水鍋は、本体と蓋の間に蒸気の膜を作る構造であり、蒸気が漏れにくく、 鍋内をオーブンのような状態にしてくれます。その結果、名前のごとく無水調理が可能となります。 この点は、ストウブも蓋を重くするなど、同じような構造となります。 さらに、ストウブは蓋の裏側から水滴がまんべんなく落ちる仕組みとなっています。むらのない仕上がりに幾分つながります。 ただ、鍋側面や蓋からの放熱は、熱伝導性の良いキング無水鍋が優れていますので、鍋内の温度にむらも生じにくいでしょう。

ストウブの内面は琺瑯が焼き付いていますので、油汚れなど落としやすいですが、 キング無水鍋は無垢のアルミですので、ゴシゴシ磨いて扱えます。

さて、琺瑯ですと、しばらくそのまま保存しておいても、鍋も食材も影響を受けにくい点が特徴です。 油汚れも落としやすい、色合いや臭いも付きにくい素材とも言えます。 かたや、キング無水鍋は、調理後そのまま保存することは避けて頂き、その場合は何かに移し替えて頂く必要があります。 アルミは、酸やアルカリの強い食材によって、表面が変色したりすることがあります。 有害なものではなく、そのままご利用いただきますが、その性質を知っておいて頂くと良いでしょう。

耐久性の面で、琺瑯の表面はガラス質ですから、衝撃を受けると欠けることがあり、丁寧に扱っていただきます。 その点、キング無水鍋は欠ける心配はなく、焦げ付いても、基本的にナイロンたわし等でゴシゴシ磨いて頂いて良いので、 鉄のフライパンのように、少々手荒に使っても良いところが魅力とも言えます。 以前、キング無水鍋は電磁調理器(IH)に使えませんでしたが、鍋底に鉄を溶射する技術によって、 今日では使えるようになっています。ストウブは、もちろん電磁調理器にご利用いただけます。

ストウブの蓋の裏側は、ドットがあり、溜まった水滴が均等に落ちる構造です。お手入れの面では、 凹凸のないキング無水鍋の方が、さっと汚れは落とせます。

加えて、キング無水鍋の蓋は、フライパン代わりにもなります。 (蓋の方は、鉄は鍋底に溶射されていませんので、電磁調理器には使えません。) 収納時も蓋がフラットですから、その上に何かを置くことも可能です。 ただ、ストウブのように、蓋のつまみをつかめば良いのとは違って、蓋のつまみが外側にあります。 熱くなるので布巾や鍋つかみ等でつかんで頂きますが、慣れないと少々使いづらさを感じるかもしません。

ストウブは輸入品であり、メーカーのサポートも輸入代理店経由となります。 その点、キング無水鍋は国産であり、何かあった時も、より手厚くサポートを頂ける印象があります。 また、最近できた会社ではなく、1953年からずっと鍋を作り続けて来た実績がありますので、 当社としても安心感があります。 昔から販売してきた同志のような存在であり、やや贔屓目に見てしまうかもしれません。 日本の台所を支えるという静かですが熱い想い、変わらない使命感をお持ちだと感じます。