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美味しさの科学

2011年5月14日

加熱講座10 本道の煮物

前回の茹でる調理とは、水を媒介として加熱する湿熱調理とも呼ばれます。 水を媒介とするために、上限温度を100度以下までに維持できる特徴があります。 かたや、焼くや炒める調理は、水を媒介としない乾熱調理です。 こちらは、100度を越えしまうので、焦げ付きなどに気を配る必要があります。 そこで、今回は、もうひとつの湿熱調理である、煮る調理について整理してみます。 まず、茹でると煮るの違いを考えてみます。 茹でるとは、熱を通して柔らかくしたり、アクを抜いたりと言った料理の下処理です。 対して煮るとは、味を付ける仕上げの作業となります。味付けが目的です。 そのため、煮るには調味料が付きものです。 ただ、茹でる場合でも、塩などを使うことがありますが、 それは味付けのためではなく、あくまで色止めなどのためです。

さて、煮物に調味料を加える順序として、「サシスセ」と昔から言われています。 この順番が重要です。 サは砂糖、シは塩、スは酢、セは醤油です。 はじめに、砂糖を入れます。それは、食材の中に塩をしみ込ませやすくするからです。 そして、塩を入れるので、食材の中に塩が浸透して行きます。 次に、酢と醤油ですが、これらには香りがあります。 香りは、蒸発しやすいので、加熱するとすぐに逃げてしまいます。 そのため、最後に加えます。 特に、醤油は、加える量の半分から三分の一くらいは、火を消す直前に入れて香りを生かします。 なお、濃口醤油は、長く加熱すると色が強く付き、煮物の色が汚くなります。 その点では、薄口醤油を使うと良い場合もあります。 さて、ここで注意したいのは、酢と醤油は、香りのある「本醸造」と表記されているものを使うことです。 本醸造でないものは、肝心の香りがありません。煮物にも、香りが求められます。


寸胴鍋は、シチューなどの煮込み料理には最適です。

いかに、食材全体に均一にむらなく味をしみ込ませるのか。 これが、煮物の美味しさの秘訣です。 まずは、食材を同じ大きさ、同じ厚さに切ること。 大きさが違うと、火の通り方にも違いが出て、柔らかいもの硬いものが入り混じり、 生焼けのようなものが出てくるでしょう。 もちろん、味にも濃淡が生じます。 さらに、野菜の一部では、「面とり」が有効です。 面とりとは、切った角を少し削り、角を丸くします。 表面積が広くなるので、味も染み込みやすくなるばかりか、 煮ている時に具同士がぶつかり合っても角の部分が崩れにくく綺麗に仕上がります。

そして、魚やイモ類を煮る時には、落とし蓋を役立てます。 これらの煮汁は、具がひたひたになる程度の少量が相応しいです。 具がすっかり漬かってしまうのは、煮汁が多すぎます。 それは、具が煮汁の中を回遊するので、煮崩れが起こりやすくなります。 しかも、具の旨みが煮汁に逃げてしまいます。 ただ、煮汁が少量ですと、蒸発する事もあり、具の上部の方に味が染み込みにくい。 そこで、落とし蓋です。 これをかぶせることにより、上部にも、ほどよく味が染み込んで行きます。 しかも、鍋の空間が少なくなり、熱が有効に利用できます。 蓋の重みで、具の動きを抑えることができるので煮崩れを防げます。 もう一つ、浅型の鍋を使うと、具が重ならないので有効です。 なお、煮物には、鍋の蓋を使用しません。これは、茹でる時や焼く時と同じです。 蓋をすると、食材から出てくる嫌な臭いを逃がすことができません。 燻製などの例外を除いて、基本的に食材から出る臭いや煙は外に逃がします。

煮魚の場合は、煮汁に入れるタイミングが重要です。 すなわち、煮汁が沸騰してから、魚を入れます。 これは、魚の表面のタンパク質を硬めてしまうためです。それによって、魚の旨みが逃げません。 もし、冷たい煮汁の中に、魚を入れてしまうと、タンパク質が硬まっていませんので、 魚の中の水分と旨みが煮汁の方に吸い出されてしまいます。 そのため、煮魚は、よく沸き立った煮汁の中に入れて、落とし蓋をして、短時間に仕上げるものです。 この短時間もポイントです。 シチュー等は違い、コトコトと煮込んでなりません。 魚肉が煮しまって硬くなってしまうのです。食材の性質を見極めます。 かたや、根菜類やイモ類、豆類などは、柔らかくなるまでには時間がかかります。 これらは、少しづつ熱を通した方が、内部まで柔らかくなりますので、水から食材を入れて煮込みます。 水から入れるか、沸騰してから入れるか、食材によって見極めます。

加えて、調味料を入れるタイミングもあります。 大根などの根菜類をはじめ、ジャガイモやカボチャなどは、水から煮て柔らかくなったら調味料を入れます。 最初から調味料を入れると、内部の水分が引き出されて、調味料の染み込み方が悪くなります。 豆類は、事前に調味液にしばらく浸し、調味液でよく膨らませてから煮ることがあります。 もし、内部に調味液が染み込んでいないと、煮汁の濃度が高いために、 豆内部の水分が引き出され縮んでしまいます。 皮はあまり影響されないので、豆にシワが寄ってしまうのです。 ふっくらと仕上がりません。 そこで、事前に濃度を同じにしておけば、それを防ぐことができるのです。 このように理科の浸透圧の知識が、料理にも応用されているのです。 お料理は、科学であることが分かります。

まだまだ、煮物の味付けを良くする秘訣があります。 和風料理の煮物では、だし汁が大切です。 味をまろやかにしてくれるからです。 だし汁が、塩味を和らげて、角の立たない丸い味にします。 だしが決め手とも言えるでしょう。 そして、おでんやシチューでは、時間をかけて煮込むことによって、味が丸くなります。 これは、乳化が促進されるからです。 乳化とは、水と油が一体になることです。 マヨネーズが乳化の典型です。 調味液と油が一体となって乳化したものです。 煮汁がうまく乳化すると、汁の表面に油が浮かず、液の中に溶け込みます。 煮る調理での乳化は、煮立つ時に出てくる気泡によって促進されます。 気泡が消滅する時に、高周波を発生します。 この高周波が、煮汁の乳化を促進させるのです。 そのため、この気泡が煮汁中で消滅せずに、外に逃てしまうと高周波は起こりません。 煮汁の中で消滅させる必要があります。

そこで、深型の鍋なのです。 深型であれば、気泡が鍋底から煮汁表面までの距離が長くなります。 煮汁内で、気泡が消滅する確率が高くなります。 しかも、大きめの鍋で容量が多いと、煮汁の重みといいますか、水圧で気泡が消滅しやすくなる。 できるだけ沢山の量を作ると良いでしょう。 そして、強火では、気泡は蒸気となって逃げますので、とろ火が相応しいのです。 さらに、肉の硬い部分は、長く煮込むことによって、柔らかくなります。 この硬い部分には、コラーゲンが多く含まれています。 このコラーゲンには、旨みの成分が多く含まれています。 煮込むことによって、コラーゲンがゼラチンに変化して、ゼリー状の柔らかい状態になります。 すると、汁にとろみがでて、美味しくなるのです。 とろ火でじっくり煮込む理由がここにあります。本物のシチューに挑戦してみて下さい。