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代表者のエッセイ

2013年9月13日

男の料理事始 第3回 目玉焼きを焼く

ご飯が炊けて、味噌汁を作れたら、今度はおかずの一品です。 まずは、目玉焼きに挑んでみましょう。 いよいよフライパンの登場です。キーワードは、火加減となります。 適切な火加減をつかめば、他の焼き物にも通じますので、 フライパン調理の基本を習得いただけます。 ただ、目玉焼きとは言え、油断せずに取り組まれて下さい。

実は、焼くという調理は、大変難しい調理だとも言われます。 それは、温度調整が難しいからです。 煮たり沸かしたりの水を使う料理は、100度以上になることはありません。 水の沸騰する温度が100度であり、それ以上は蒸気となります。 すなわち、上限温度があり、水が調整してくれているのです。 水とは、まことにありがたい物質ですね。 かたや、焼いたり炒めたりのフライパン調理は、基本的に水を使用しませんので、 上限温度がなく、うっかりすると200度を越えます。 すると、黒く焦げて炭となり、もはや食べることすらできません。 ただ、このような調整を必要とするところにこそ、料理する人の存在意義があるとも言えます。 そこで、観察と考察をいたします。 お料理とは、言葉を換えれば、観察と考察をすること。 観察とは、五感を駆使して、よく見ること、よく聞くこと、よく嗅ぐこと、 よく感じること、よく味わうことです。 考察とは、頭脳を駆使して、よく考えることです。 これを当世風に面倒なこととせず、自分の感性と思考を生かせる好機ととらえます。 そして、幸いにお料理は毎日のこと。 試行錯誤を重ねながら、自分の感性と思考が日々研ぎすまされて行きます。 そこには、成長があるのです。 美味しさとともに、その成長を味わえることで、生きている喜びを体感することでしょう。 それは、生きがいともなり、自分の存在意義を確認できて心安らかになるのです。 フライパン調理には、生きることの本質が秘められていると思います。

180度の温度領域で美味しい3つの香りが生まれます。

まず、美味しく焼くことを定義いたします。 これを考察の手がかりとして下さい。 美味しく焼くとは、食材の表面を180度で固めて、 食材の内部全体は80度までの状態にすること。 180度には理由があります。 それは、美味しさを感じる香りが生まれるからです。 香りとは、美味しさに直結する重要なもの。 フライパン調理とは、香りを作り出すことでもあります。 その香りには3つあります。 まずは、糖分がカラメル化されてできる香りです。 砂糖を想定して下さい。 砂糖に熱を加えると溶けて飴状になり、やがて綺麗なキツネ色になります。 これをカラメルと呼びますが、プリンのソースにも使われます。 これが180度で形成されます。 次に、油の香りです。 これは、揚げ物をした時の油独特のカラッとした香ばしい香りです。 ディープフライフレーバーとも呼ばれますが、こちらも180度で生じます。 最後に、糖分とタンパク質、糖分とアミノ酸がともにある時に生まれる香りです。 これは、メイラード反応と呼ばれる反応が引き起こされて、 メラノイジンという物質が形成されることにより生じます。 ケーキ、ステーキ、ウナギ等を焼いた時に生じる香りは、このメラノイジンによるもの。 こちらも180度で形成されます。 幸いにして、これらの香りは、どれも180度という同じ温度領域で生まれる。 これを私なりに、トリプルフレーバーと呼んでいます。

色合いと香りを確かめながら、火加減と火にかける時間を調整します。

その時、食材の表面は、キツネ色の美味しい色合いとなり固まります。 カリッと、あるいはパリッとした感じになります。 ただ、食材に厚みのあるものであれば、内部は柔らかい状態の方が美味しさを感じます。 例えば、餃子やハンバーグ、ステーキのように、表面はカリッと、 中味は肉汁が残るジューシな食感が好まれるでしょう。 中味まで固いと美味しさは台無しです。 内部にも熱を伝えますが、内部は80度ほどの熱が伝わる程度が美味しさを感じることができます。 なお、80度以下ですと、魚や肉の場合は、細菌などが死滅せず、衛生上問題があります。 かたや、100度近くになると、固くなってしまいます。 ですから、80度なのです。 これらの180度と80度というのはあくまで目安としていただきます。 そして、フライパンで調理をしながら、コンロの火加減とあわせて食材をじっと観察します。 食材の色合いと香りを確認しながら、火加減と火にかける時間を見極めます。 食材表面全体がキツネ色の色合いになったら、および良い香りが出てきたら、火を止めて調理終了。 180度でも火にかけ過ぎてはなりません。 火を止めるタイミングが大切です。 しかも、200度以上になると、黒く焦げ付き、焦げくさい嫌な臭いが生じます。 こうなってしまっては、もはや手遅れです。 次回にその反省を生かして調整して行くことでしょう。 お料理には常に明日があり、明日はやって来ます。 その調整過程が考察することでもあります。

油は、香りに加えて温度調整とこびりつき回避の役割を果たします。

油を使う意味について整理します。 まずは、上記の油独特の良い香り、ディープフライフレーバーを生かすことができます。 風味が良くなるとも表現できるでしょう。 そして、油が温度調整する役割を果たします。 フライパン調理で予熱時に油返しという下処理をします。 これは、26p前後のフライパンであれば、150cc前後の油を、予熱の後半にフライパンに入れて、 10秒ほどコンロにかけて、一旦この油をすべてオイルポット等に戻します。 この油返しによって、フライパン底面の温度が均一になるのです。 電磁調理器(IH)では、発熱するところは、中心から直径10cmの円周部分と限られます。 この発熱部分やガスの炎のあたる部分は極端に温度が上がりますが、周囲との温度差が生じます。 そこで、この油返しにより、底面全体が均一な温度になるのです。 さらに、油がこびりつきを回避します。 金属(フライパン)とタンパク質は、50度以上になると、熱凝着(ぎょうちゃく)反応がはじまります。 これは、タンパク質を構成する分子の結合が切れて、その分子が遊離して金属面と付着します。 その時、油が金属とタンパク質の媒介役となって、熱凝着を防ぐのです。 加えて、タンパク質は、さらに高温状態になると、熱によって性質が変化して固まります。 実は、フライパンの調理では、熱凝着を避けるために、この熱変性を利用します。 予熱された180度のフライパンであれば、食材表面のタンパク質が熱凝着を越えて、熱変性して凝固します。 付着する前に、表面を固めてしまうのです。ですから、予熱が甘いとこびり付きやすくなります。 そのため、フライパン調理にとっては、油とともに予熱も重要なのです。

厚板の極ザ・オムレツ26pで予熱および油返しをして適量の油を入れたら卵を入れます。

卵を割って入れるのも意外と難しいものです。慣れない方は、お椀等に一旦入れてから、 お椀から流し入れると失敗は少なくなります。

厚板フライパンは、温度むらがなくなり、弱火でも強く熱を伝えます。

そこで、どのフライパンを選べばいいのか。 まずは、男性の皆さんには、 極ザ・オムレツ26pをおすすめします。 女性の皆さんには、日常使いとしては重いため、おすすめるには躊躇してしまうのですが。 美味しく焼けることを優先するのでしたら、やはり、極ザ・オムレツのような厚板のものです。 なぜなら、油を使用することと同じように、温度むらが少なくなるからです。 薄いフライパンは、発熱するところ、炎が当たるところに、熱が偏りやすく、 結果として焦げ付きを招きます。 軽くて扱いやすいのですが、上手に使いこなすには、温度調整は、かえって難しくなります。 その点、こちらの厚板であれば、焦げ付きも回避できて温度調整がしやすく、 初心者にはおすすめできるのです。 さらに、しっかりと板内部に熱を溜め込むために、ステーキ等の厚みのある食材には、 しっかりと強く熱が入ります。 短絡的には、火加減を強くすれば良いのではと考えがちですが、これは誤りです。 火加減を強くすると、内部に熱が入る前に、表面が焦げ付いてしまうのです。 そのためには、弱火でも、しっかりと強く熱を伝えるフライパンが必要なのです。 それが、厚板フライパンなのです。 極ザ・オムレツ26pでしたら、蓋がなくても、厚みのあるステーキ等にもしっかり熱が入ります。 ですから、厚板フライパンを使って弱火で熱を伝えていくことは、焼く調理の理想となります。

蓋をして焼くと、黄身もやや白くなった仕上がりとなります。

熱を閉じ込めるので、蓋をしない時と比べた場合には、黄身が固まるのは早くなります。 蓋をするしないでも、いろんな変化を楽しむことができます。

目玉焼きの具体的な作り方

以上の前提があって、目玉焼きを焼いて行きましょう。 おさらいですが、食材全体の表面を180度で焼いていくことが目標ですので、 フライパン底面全体を180度の状態にします。 そのために、まず予熱ないし油返しを行います。 まず、180度にするためには、ガスの中火および電磁調理器の中レベルで 90〜120秒ほど予熱することを目安にして下さい。厚板のものは、やや時間がかかります。 その予熱の後半に、油返しをします。その時、 ステンレス製寸胴型ミルクポットがあると便利でしょう。 なお、油から煙が出てしまったら、ほとんどの場合、予熱のし過ぎです。 油から煙が出る直前を目安にしても良いでしょう。 予熱と油返しが終わったら、適量の油を入れて、卵を割ってフライパンに落とします。 卵は、新鮮なもの常温のものが基本です。 なるべく、フライパンに近づけてから落とすと良いでしょう。 予熱後の火加減は、初めから終わりまで弱火です。 この状態で、まずタイマーをセットして3分間焼いてみます。 時間は、考察の材料となる大切なものです。 料理の料とは、はかることであり、それは時間も含んでいると思います。 タイマーは、お料理の必需品です。 目玉焼きの状態を見て、さらに深焼きした方がお好みであれば、今しばらく焼いてみて下さい。 ヘラで取り出して、お好みで塩や胡椒を振りかけて出来上がりです。 ヘラは、マルタマターナー大が、 しっかりと板と食材の間に入り込んで取り出しやすくおすすめできます。 お好みで、黄身の部分を白くさせたいようでしたら、卵を入れた後すぐに をかぶせます。 水を入れなくても蒸気は出て来ますので、同じように弱火で焼いてみて下さい。

黄身の下の方は固くなり、上の方は柔らかくなっていますが、お好みにより調整します。

黄身の固さ具合と白身裏側の焼き具合は、火加減や火にかける時間で変化します。 それらの卵の色合いと香りをよく観察しながら、火加減と火にかける時間を調整します。 刻々と変化する卵の表情を見ることは、大変面白いものです。 味わいもまた違って参ります。 そして、考察して下さい。今度は、もう少し火にかける時間を長くしてみよう。 短くしてみよう。フライパンの材質・厚さ・サイズの違い。 蓋を使う使わない。卵の個数なども考慮に入れると良いでしょう。 その観察と考察を通じて、自分にとって一番の目玉焼きを焼き上げてみて下さい。

男の料理事始 まえがき
男の料理事始 第1回ご飯を炊く
男の料理事始 第2回味噌汁を作る
男の料理事始 第3回目玉焼きを焼く
男の料理事始 第4回ホットケーキを焼く